同期化とはチームワーク

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SCM超ルール

同期化とはチームワーク

企業全体のリズムビート(脈動)に異状があっては個々が良くても全体はよくならない。
サプライチェーンのモノの流れ速度を決めるのは生産速度、輸送速度、販売速度は企業内の業務間調整やスケジュール、企業間の連携である。すなわち業務速度の同期化が流れを高速化する。大量生産のサプライチェーンでは生産ラインの効率化、トラックや船舶の積載率向上のみの部分的最適化を計ってきた。効率向上という部分最適は業務間の在庫をバッファーにして調整する。
売り買いのともなう企業間では原価や在庫情報は価格交渉においては機密扱いである。ところが連鎖業務全体が同期化するには業務速度や未来の速度を決める計画、在庫情報をお互いに共有することが重要になる。同一企業内の生産と販売でも同じである。販売側が立案する販売予算を生産側が信用しないで独自の需要予測に基づいて生産・物流計画を立てることは伝統的な工業化時代の部分最適のパラダイムである。その結果販売と生産の間にグレーゾーンとしての在庫が累積する。過剰在庫と欠品は販売と生産のどちらの責任か不明のままあいまいにされていた問題が露呈して来た。
 サッカーでボールをパスするプレーとシュートするプレーが独自にそれぞれいくら上手くても両者の連携がなければ得点できない。生産と販売のそれぞれが最適化されていても製造販売の連携というチームワークがなければ機会損失と過剰在庫というムダがいたるところに発生して企業は儲からない。

図1

図1に示すように業務A,B,C,D,Eの速度ベクトルがバラバラだと総合的なサプライチェーンの能力は全く信用できないほど低いオペレーションとなるが、それぞれの業務のベクトルが揃う(同期化する)と強力な力を発揮する。連鎖業務が地球の裏側にまたがるグローバルなサプライチェーンでもムダを無くすオペレーションが必要とされる。グローバルサプライチェーンマネジメントとは工場と市場が地球レベルに広がっている現代企業のグローバルな業務を同期化することである。
 BPR(ビジネスプロセス・リエンジニアリング)で一躍有名になったP&Gとウオルマートの製販同盟、セブンイレブンの小売とメーカーとのチームマーチャンダイジング、ユニクロのSPA(製造小売)など20世紀末から21世紀にかけて注目されている経営は製造から販売までのサプライチェーンの業務流速を同期化するためのビジネスモデルと言える。企業が異なっても連鎖する複数の業務がオーケストラのリズムのように調和しているビジネスモデルは生き生きと成長する生態系のように躍動する。消費者を起点に売れただけ補充するサプライチェーン上流は補充生産に、又は消費者が欲しいと決めた(発注した)時点から生産が始まるプル型受注生産方式はすべて流れを作る同期的オペレーションである。能力があるから精一杯実行することを正義とした工業化時代の個人の能力、部分の能力のみでは達成できない全体最適が必要とされる時代になった。

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