スループット会計

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SCM超ルール

スループット会計

それに対して筆者がコンサルテングで提案しているスループット会計は在庫を下げることで利益が増え、在庫を上げると利益が減るメカニズムである。連載第一回で在庫は時間であると述べた。モノの流れのスピードアップとは流れを早くすることである。これをスループット(流速)と言い原価計算による会計利益が在庫調整による利益であるのに対してスループット利益はキャッシュベース利益である。伝統的な会計上の利益に管理会計として追加する。会計利益とスループット利益を同時に見比べることで在庫の動きによる2つの利益の変動が簡単に分かる。

原価計算による営業利益との違いを図2に示す。基本的な考え方は売上から引く売上原価が在庫調整されるのに対して、「資材や商品の仕入」と「製造に要する経費」などは在庫を増やす費目として売上から控除するのである。こうすれば売れる以上に仕入れたり作ったりすると利益が減る。仕入れたり作ったりしないで在庫処分で販売すると利益が増える。仕入れる資材や商品は経費と同じ出費扱いにするキャッシュフロー経営の考え方だ。

図2

もしあなたの会社が製造会社であれば生産部門と販売部門のどちらが在庫責任を持っているだろうか?多くの会社では在庫は生産側の責任で、営業は売上責任を持つのみで欠品をなくすため在庫を多く持ちたがる。生産も効率生産のために大ロット生産で在庫は膨らむ傾向にある。在庫は生産と販売のグレーゾーンにあって膨れ上がる傾向にあり過剰な運転資金となってキャッシュフローを悪化させる。営業利益のみで経営判断しているとキャッシュフローを悪化させるのみでなくデフレ経済では滞留在庫が売れ残りの陳腐化在庫になり評価損となって原価に組み入れられて営業利益の悪化につながる恐れが大きい。 ここで定義するスループット会計は家計簿のように入金と出金しかない。すなわち在庫となるストックがなく仕入れと経費の支出は同じ扱いである。別の言い方をすれば販売以上に仕入れたり生産したりするとスループット利益はすぐ悪化する。原価会計では売れる以上に生産したり仕入れたりしても在庫という資産計上操作によって原価が製造原価から売上原価に変換されて原価が下がり利益が減ることはない。一般に原価計算上の会計利益は国際的なスタンダードありスループット会計がとってかわる性質の指標ではないが管理会計上の利益として同時並行の管理指標として把握することをお勧めしたい。

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