流れ制御としてみたサプライチェーン

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SCM超ルール

連鎖業務としての経営全体の部分を見ているだけでは企業収益は上がらない。効率という指標はコストや歩留という工業時代の部分最適志向であり全体最適の経営指標とは言えない。ロジスティクスという資材メーカーと自社の工場、社内の生産拠点と販売拠点、完成品倉庫と顧客の工場や店舗などサプライチェーンをつなぐ全体最適の認識がSCMに必要である。サプライチェーンの全体流れが制御されていなければ部分的効率のみ改善しても在庫が増えるだけで資金繰りを悪化させるのみである。
時間の持つ威力とは時間そのものがキャッシュを生むことにある。限られた時間から最大のキャッシュを生むために連鎖業務全体を高速でモノ(カネ)が流れるように流速(スループット)を制御することが「時間を利する」ことである。資材調達、生産,販売などプロセス中心の部分的効率化が収益を阻害して来た。

流れ制御としてみたサプライチェーン

流速制御とはどういうことか。図1のようにサプライチェーン(供給連鎖)とは連鎖する複数の業務と、それらの連鎖業務の間に介在する在庫の連鎖から成り立っている。連鎖業務とは生産や販売や物流等といったモノの流れのメカニズム(仕掛け)を形成している。企業の収益を決定する要因とは資材調達、生産、物流、販売の全体の流速で決まる。具体的には顧客からの受注出荷のリードタイム、ロットサイズと頻度、配送計画、生産計画とスケジュール、資材発注リードタイムなど業務上の政策決定が流速を決める。今までの企業収益向上のパラダイムは生産コスト・物流コスト削減など焦点が絞られた経営改善にあった。SCMの本質は経営を「流れ」と見なすことでモノの流れをキャッシュフローと関係付けることにある。

図1

在庫が充分あるのにメーカーが卸や小売に在庫を押しこんだり、一方で注文があっても生産が追いつかないで出荷できなかったりすることで全体の流れが遅くなる。連鎖する業務の速度が末端の消費者の購買速度に関係無くバラバラに変動すると在庫変動が大きくなり過剰になったり過小(欠品)となって流速を落す。受注出荷・生産活動・資材調達などが全体で調整されて速度が揃っていると過剰在庫にも欠品にもならずに流速を高めることができる。流れを制御するサプライチェーンでは企業間組織や企業内組織の壁を超えて設備や人、トラックや倉庫、そして店舗などあらゆる経営資源を,モノやキャッシュの流れとして見なければならない。流速(スループット)は在庫に着目して業務の速度をコントロールすることで加速することができる。

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