リードタイムを見ればビジネスモデルが見える

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SCM超ルール

在庫と時間 サプライチェーンの法則1・2・3

リードタイムを見ればビジネスモデルが見える

鉄鋼業のような付加価値の高い素材型産業、自動車のような総合組立型機械産業、複写機やコンピュータのような電器セットメーカー、卸や小売業などモノの流れを扱うサプライチェーンで在庫時間を見てビジネスモデルがパターン化できる。そして同じ業種に属していればサプライチェーンのリードタイムを見れば経営のスピードが判断できる。経営スピードとは企業の収益性を左右する重要な要因である。

図2に大雑把ではあるが平成10年度の有価証券報告書に記載された決算書から多様な業種に属する代表的企業の在庫時間を推定してみる。考え方は金額で換算された在庫残高をスピードで割って時間を出す。資材在庫を資材投入スピード(材料投入費)でわると資材在庫日数がでる。仕掛在庫を製造スピード(製造原価)で割ると仕掛在庫日数が、製品在庫を出荷スピード(売上原価)でわると製品在庫日数が算出される。

資材投入スピードが資材投入費であり、製造スピードが製造原価であり、出荷スピードが売上原価であることに少し説明が必要かもしれない。サプライチェーンマネジメントの視点から見れば会計の仕組みはよく出来ているが時間が早く回る時代には新たな解釈が必要がある。すなわち決算書は年間の利益スピードの記述書なのだ。時速や分速速度を表わす時代に年速という平均値はピンと来ない。日本の多くの企業は3月31日を会計年度末にしており在庫は3月31日の夜12時時点での瞬間値の資産評価である。資産が連続的に変動するように売上計上する日々の出荷速度(時間当りの出荷金額)は変動する。生産速度も資材投入速度も同様である。決算書は年間365日の累積である。したがって出荷速度も生産速度も資材投入速度も年速で記述されている。したがって年速で割った時間の単位を年から日に換算するには365日をかける必要がある。

そのようにして算出した代表的企業の棚卸在庫日数を比較したのが図2である。トヨタ自動車や日産の超スピード経営、武田薬品や第一製薬の高付加価値低速経営、住友金属や日本鋼管などの長いリードタイム経営など業種別ビジネスモデルの特徴が現れている。

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