バーチャルコーポレーションとコア・コンピタンス

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サプライチェーン時代への対応

サプライチェーンの中でのポジショニング

バーチャルコーポレーションとコア・コンピタンス

エンジニアリング会社の定義の一つは化学装置の製造部門を持たないプラントメーカーである。会社という組織単位は資材を調達して生産加工し、製品として販売するが、モノの流れは上流から下流まで素材産業から幾つかの部品産業、組み立て業、流通・小売業まで末端の消費者・ユーザーまで多くの企業を経由する。
川の流れのように本流もあれば支流もあり、支流から本流へ(組み立て産業)、本流から支流(素材産業)へとネットワークになっているのがサプライチェーンである。このものの流れの連鎖を商流で表現すると企業(コーポレーション)の組織で区分されるサプライヤー(売り手)からバイヤー(買い手)への連鎖である。
企業内のサプライチェーンはサプライヤーからバイヤーとは言わないで上流工程、下流工程、または資材調達から生産へ、生産から販売へと社内での下流工程は上流工程にとってお客様であると見なす社内業務の連鎖として考えることが重要である。エンジニアリング会社はプラントメーカーとして装置の製作を含む多くの供給業務をアウトソーシングするバーチャルコーポレーションを形成している。

一般にバーチャルコーポレーションとは産業上別の企業の壁を取り払ってサプライチェーンをマネジメントすることで情報共有をベースに全体最適のキャッシュフローを上げる組織と情報システムにおけるコンセプトである。シングルエンタープライズとも言ってこの仕組みによって企業が違ってもあたかも一つの企業内の上流工程と下流工程のように、企業間に存在する注文書や請求書発行の手順を省き全体のサプライチェーンの計画と状況情報を共有する仕掛けを作って時間短縮でスピード経営が可能になる。複数の企業間での連携プレーの得意技(ベストプラクテス)としてバーチャルコーポレーションの仕掛けをどのように作ったらよいかを考えることはきわめて重要である。

サッカーや陸上リレー、水泳リレーのようにチームプレーする相手によってチームの強さが決まるようにチームメンバーにはそれぞれ異なった得意技をもった構成が最強のチームを作るように、サプライチェーンを構成するバーチャルコーポレーションのメンバー企業は、自社の得意技を持つことがサプライチェーンに参加する資格の格付けが上がる。この自社の特徴を表現する資格に相当する技がコア・コンピタンスと言える。どんな企業も単独には生きられない。サプライチェーンの一部となって自社にモノと金が血液のように流れて企業は生き続ける事が出来る。競合企業間の競争とは自社を通過するモノのシェアを競争相手と競うゲームと言える。
バーチャルコーポレーションは企業を超えた複数企業でサプライチェーンを構成する単位である。デル・コンピュータとフェデックス、シスコシステムズと多くのサプライヤー、そして最近の製造業者と流通小売業者をつなぐ3PL(サードパーティ・ロジスティクス)などバーチャルコーポレーションでサプライチェーンを構成する成功事例と言える。

このように考えるときバーチャルコーポレーションを構成するエンジニアリング会社のコア・コンピタンスはプロセス技術などの固有技術ではなくSCMの視点から見たリードタイム短縮のメカニズムとプロジェクトマネジメントと見たほうが戦略的である。

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