知識集約型産業としての熟練と連続的プロセス改善

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サプライチェーンそれぞれの選択

第4章金型等生産材メーカーの場合

知識集約型産業としての熟練と連続的プロセス改善

スピードをコア・コンピタンスと見なすとして企業経営において、何を経営指標としなければならないのか。サプライチェーンマネジメントも1980年代日本の強い製造業の代表的モデルとして全世界に広まったジャスト・イン・タイムが影響したように、組織ぐるみでの経営改善活動である日本発の連続的改善のTQM、TPMも欧米の経営論に大きな影響を与えている。金型、工作機械などの生産財もまた市場規模は目立つほど大きくなくても、明らかに日本製品が世界の製造業のサプライチェーン・リソース(経営資源)として貢献している。今後確実な収益をしっかり上げてますます強くなっていくためには顧客満足視点でのサプライチェーンマネジメントが必要になる。前述したようにポイント・ソルーションからライン・ソルーションへの展開、自社の連鎖業務の同期化によるスピードアップは熟練と連続的な改善努力の積み重ねが要求される。

特にサプライチェーン全体の同期化によるスピードアップと熟練は密接に関係している。

少ない在庫でスピードを上げるには資材調達、生産、販売出荷などの業務連鎖の速度が顧客の需要に合わせて同期化するように速度の制御ができなければならない。もし仮に充分な運転資金があって在庫を充分に持つことができれば、速度の制御は気にしなくてもそれぞれの個別の都合に合わせたスピードで業務を行えば良い。速度制御の未熟さは充分な在庫で隠されてしまうのだ。熟練度をそのままにして資材・仕掛・製品在庫を減らして行くと物不足という能力の非稼動状態、すなわち機会損失という問題が顕在化する。この機会損失のないオペレーションを在庫投資抑制下で実行するには熟練を含むサプライチェーンの同期化能力を上げるしかない。そしてそれは連続的な改善の積み上げを必要とするのだ。

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