バーチャル・インテグレーションでサプライチェーンをつなぐインターネット

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サプライチェーンそれぞれの選択

第2章大手企業・完成品セットメーカーの場合

バーチャル・インテグレーションで
サプライチェーンをつなぐインターネット

バーチャル・インテグレーションとは、自社の業務連鎖のみでなく資材調達先、外注先、販社を経由して最終顧客に届くまでの業務連鎖とストック(在庫)ポイントを描いて全体のリードタイムと在庫を削減する全体最適のサプライチェーンを構築する方法論である。

自社のサプライチェーンの一部が外注されていれば、部品を外注先に出荷するためのヤードに在庫ポイントがあり、外注先に入荷したところに在庫ポイントがある。社内でサプライチェーンが完結している場合に比べ、往復すれば4か所在庫ポイントが多いことになる。また外注先が資材の購入先を含めて複数あれば、サプライチェーン上の業務連鎖と在庫ポイントと移動距離はどのくらいあるだろうか。

サプライチェーンマネジメントは全体の広い視点でモノの流れを分析しなければならない。自社だけではなく上流の部品メーカー・さらにその上流の素材メーカー・金型メーカーからの供給連鎖をモデル化して可視性(ビジビリティ)を上げることにより、戦略的な自由度(打てる手の数)は大きくなる。

自社のキャッシュフローが向上するためには、サプライヤーとして既存の系列などの取引先が果たして良いのかどうかといった、パートナーの棚卸評価が必要である。サプライチェーン時代において、護送船団のもたれ合いを単に過去の延長として持続することは「運命もろとも」の事態を引き起こすことになりかねない。

大手総合家電メーカーでは、赤字部門の赤字部門へのもたれ合い構造を急速に廃止する傾向が顕著になった。部品メーカーも親会社や系列に過去の延長で依存できないという現実が、次の新技術・新商品を生んで産業が進化する。

デル・コンピュータはパソコンの部品・OS、ロジスティクスはベスト・イン・クラスのサプライヤーにアウトソーシングして短期にビジネスモデルを作り上げている。インターネット技術とERP/SCMのソフトウエア技術がバーチャル・インテグレーションのサプライチェーン経営モデルを可能にしている。

これら総称としての製造業経営におけるE−コマースでは、日本は米国に比べて遅れていると言われている。サプライチェーンで企業間を繋ぐインターネットはセットメーカーにとって軽視できないインフラになってくるだろう。

図3

図3はインターネットでバーチャルインテグレーションのモデルとして有名なCisco Systemsのサプライチェーン構成である。

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