コア・コンピタンスの再定義

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サプライチェーンそれぞれの選択

第2章大手企業・完成品セットメーカーの場合

コア・コンピタンスの再定義

コア・コンピタンスとは、会社のハイテク技術製品の企業イメージかもしれないし、量産立ち上げの早い生産技術かも知れないし、熟練した開発設計技師の開発スピード、あるいは張り巡らされた販売網かもしれない。 経済環境が激変している現在、自社のコア・コンピタンスが市場での競争にあまり役に立たなくなっているかもしれない。家電の全国津々浦々に張り巡らした販売網へのサプライチェーンが広域のロードサイドでの量販店経由にシフトして、従来のコア・コンピタンスが逆に重荷になっている場合もある。

従来の小規模ストア販売網を持たない量販店の流通力が顧客の利便性を強化する。それによってサプライチェーンの太いパイプができつつあるとき、従来通りの人口比に基づく営業力の配分では流通上にボトルネックを作ってしまう。
工場内のサプライチェーン(工程)で、作業環境が変わっても昔のやり方を踏襲して非効率を生んでいるようなものである。サプライチェーンのボトルネックは最終消費者まで範囲を拡大しなければならない。自社のコア・コンピタンスの再定義とは、自社の強みであったものでも時代とともに捨てる覚悟をすることである。自動車メーカーの下請け系列、ディーラー系列がグループとして護送船団を組んでいれば安泰という時代は過ぎた。「みんなでわたれば怖くない」という集団心理が全員を大事故に巻き込むかもしれないという恐怖心を持って、自分の頭と心で周到に行動することが生き残りの条件である。冷徹かもしれないが自社が生き残るのが重要なのだ。「死より地獄」を選択せざるを得ない時代になっている。かつて日本の軍部という官僚機構は国民を巻き込んで「死」を選んでしまったではないか。

表1

『失敗の本質』(1984年ダイヤモンド社、1991年中央公論社)によれば、日本帝国の陸海軍の失敗は半世紀まえの日露戦争のコア・コンピタンスである大鑑巨砲主義に拘泥した結果であるとの分析は有名である。どの企業もサプライチェーンのなかで自社にカネとモノが流れるようにするためにゲームのルールや環境をよく見て分析する必要がある。表1にサプライチェーン視点でのコア・コンピタンスの再定義による成功事例を示す。

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