顧客と競合相手と市場から自社をみる

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サプライチェーンそれぞれの選択

第2章大手企業・完成品セットメーカーの場合

顧客と競合相手と市場から自社をみる

最近の論説の中に、サプライチェーンは供給者の論理であって、重要なのは顧客のデマンドチェーンや、バリューチェーンであるとの説を見かける。しかしデマンドとサプライはコインの両サイド、つまり同じ物をどちらから見るかの問題であって、デマンドチェーンの概念に意味があるかどうかは疑問である。

供給業務の連鎖は意味が明確だが、需要(デマンド)の連鎖は発注情報の伝達連鎖があるだけである。重要な点はデマンドは連鎖させないで最終ユーザーに直結させるということである。

どんなもの(製品戦略)をどんな方法でどんな価格で供給するか(サプライチェーン)について、顧客のデマンドを市場のなかで競合相手より高い満足度で達成することが勝ち残りの手段になる。経営のベストプラクテスは一律に定義できない。
現在の経済状況に限らず、企業は無限のライフサイクルをもって生き残れる存在では決してあり得ない。GNPが増大し続けることが普通でなくなった過渡期、特にサプライチェーン上において物流量が限られているか、もしくは減少する時代においては、自社に物と金が流れるかどうかが生き残れるかどうかの分かれ目であると認識することが必要になった。

サッカーや野球のゲームで以前よりうまくなっても競争相手よりも下手であれば勝てないのと同じように、サプライチェーン上におけるベストプラクテスの「ベスト」の定義は、市場でゲームに参加しているプレーヤーの技の相対的優位性で決まってくる。ジャパンカップで優勝してもワールドカップでは勝てない。前回にベンチマーキングの話を入れたが、企業の勝敗は最終的には財務状態に表され、財務ベンチマーキングに表示される。

図2

サプライチェーン上では、競争相手と顧客と自社は三角関係になっている(図2)。わがままで気まぐれな顧客(読者は自分のことを考えれば納得されるはず)にどんな製品をどんな方法で提供できるかを経営戦略の出発点ととらえ、最近のインターネットなどの情報ネットワーク技術を駆使してサプライチェーン時代に対応したスピード経営を行なっていくことが今求められている。

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