ベンチマーキングとベストプラクテス(最高の得意技)

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SCMの可能性を求めて

第3章経営戦略としてのサプライチェーンマネジメントと成功の為のプラクテス

ベンチマーキングとベストプラクテス(最高の得意技)

図27
ベンチマーキングは米国において1980年代に日本の製造業研究プロセスのなかでモデル化された手法であることを実証する以下の文章を引用する。
「日本人は、改善の実施にかかる時間の短縮や、製品を市場に提供するまでの時間削減の方法としてベンチマーキングの実践方法を製品やプロセス開発に適用してきた。
ポール・ハウエルはこう言っている‘日本人はベンチマーキング、つまり各産業での最高の企業を徹底的に分析することに関して抜きん出ている。そして彼らは継続的にパフォーマンスを向上しつづけ、やがて日本の製品とサービスを世界最高のものにまで仕上げるにいたったのである’」(「戦略的ベンチマーキング」、グレゴリ―・H・ワトソン著、ダイアモンド社、なおグレゴリ―・ワトソン氏はゼロックス社でベンチマーキングの手法を取り入れ米国で普及させた第一人者)

図28
日本の多くの会社は自社と同じ成功事例にこだわり横並びの護送船団方式で業界の水準に遅れまいとする習慣が日本製の自動車・テレビなど世界最高のものを作り上げた事は事実である。
しかしこの日本的な習慣がベンチマーキングなどと称して欧米の会社が体系化してボールドリッジ賞などの審査項目に取り上げるなどして一般的な理論武装されている今、逆に日本の優位性が無くなってきたと言える。

現代産業は何処かで発見されたモデルが一般化された瞬間に全世界にベストプラクテスとして広まってしまう。トヨタのカンバンシステムもその方式を他の日本企業がマネする前に一般化されたモデルがGMやフォードで情報システムを駆使して利用されている。
世界に誇った日本の自動車産業でも昨今の成熟経済のなかで優位性どころか単独での存在さえ危うくなってきているではないか。日産とルノー、ダイムラーとクライスラー、マツダとフォードなどの合従連衡に見られるように企業活動に国籍は関係なくなった。
世界に誇ったJITのトヨタさえ次世紀の自動車産業の存在基盤は何か模索している。JITの延長にあるサプライチェーンマネジメントのゴールである企業全体の指標であるキャッシュフローで見るとトヨタでさえフォード・GMに大きく引き離されている。(フォード276億ドル、GM165億ドル、トヨタ67億ドル:97年、ソース:週間ダイアモンド99・4・17)サプライチェーンマネジメントを電子カンバンシステムであるとか、ベンチマーキングは日本の真似だとかいって軽視する態度をもつ日本企業はグローバルなビジネス戦争の実態を知らずして今後大きく遅れる可能性がある。

ベンチマーキングで卓越した技(ベストプラクテス)を取り入れる継続的な行動ルールを持ったグローバル企業はハングリー精神で一生懸命にやって成功したが次世代に行動ルールが引き継げないかってのグローバル日本企業を負かすことは簡単である。日本では官民での協力体制が弱くなる一方アメリカもEUも政府や学会の協力体制が強くなって来ている。
ベンチマーキングの意味合いは企業間の格差は国境を超えて短時間で減少すること、又ベンチマーキングを無視しているとたちまち井の中の蛙になってしまい、生残りさえ難しくなることである。
むしろ最低限の必須科目であろう。サプライチェーンマネジメントの指標である在庫回転率、リードタイム、在庫欠品率など収益性の元データ、キャッシュフローなど徹底的にベンチマーキングしてその格差ももとになっている原因を追求しプラクティス(技)の開発まで継続的に実行するルール作りまで行なうことが勝ち残りに不可欠になった。

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