回転寿司のメタファー

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SCMの可能性を求めて

第2章複雑系メタファーで理解するサプライチェーンのダイナミックス

回転寿司のメタファー

回転寿司は製品の供給と消費を同じ場所でシンクロナイズさせるサプライチェーンマネジメントである。〈図20.サプライチェーンメタファー:回転寿司〉

図20
まずこのシステムには幾つかのロジスティクス上のプラクテスが組み込まれている。
日々の需要の予測にもとづいて肴のネタとシャリの量が決定され仕込まれる。初期のターン・テーブル上に並べる寿司の量(密度)は見込み(MTS)で決定されるが、その後は客が消費した分を補充生産(にぎり)するCRP(連続補充生産)になっていて、プル型に切り替わる。ターンテーブル上の空スペース以上には製品を置けないので、空スペースがカンバンに相当するカンバン方式でもある。
あるいは先述したDBR理論のロープが空スペースであるとの類推も成り立つ。製品在庫は回転するベルトコンベアで客全員に巡回して陳列している。ベルトコンベアがセールスマンとなって工場と顧客の間の橋渡しをしている。
更に言えば、客が手を延ばして、自分のテーブルの前に寿司皿を引くことで、オーダーと納入を同時に行っているわけで、注文と納品が区分されていない。ベルトコンベアで回転している製品在庫は店のもの、すなわちサプライヤーのベンダー管理在庫(VMI)である。

カウンター越しに、シェフにネタを指しながらにぎりを注文する方式に比べれば、コンベアの上を数回転して少し鮮度を落とす場合もあるかもしれないが、欲しいものを即座に(リードタイム最短で)口に入れられると言う点では見事なサプライチェーンのビジネスモデルである。
多品種の組立工場などでは、このように多くのパーツを品番・品種別に回転させて、客先又は営業マンが自社の工場へ行って自分で製品をキット化して納品するモデルであり、業種によっては応用可能なビジネスモデルではないだろうか?

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