なぜ今、サプライチェーンマネジメントか

株式会社21世紀ものづくり日本>>SCM投稿記事>>SCMの可能性を求めて

SCMの可能性を求めて

第1章生き残りの手段としてのサプライチェーンマネジメント

なぜ今、サプライチェーンマネジメント

図5
〈図5.何故サプライチェーンマネジメントか〉に示したようにサプライチェーンマネジメントが注目される時代環境要因は幾つかある。
今グローバルな経済圏のなかで大きなビジネス環境の変化が起こっており、昨日の成功企業が苦戦している。今日の成功企業でも明日は分からない。

規制緩和が新規参入を促し、国外国内のどこからアタッカー、即ち新規参入で市場を支配する企業が現れるか分からない。高度成長期の流通業の代表であったダイエーが苦戦している。デルコンピュータのビジネスモデルは大手のPCメーカーの脅威になっている。東南アジアの経済危機と為替の暴落は又価格破壊となって日本市場を直撃する。市場に存在する商品は入れ替わりが激しく、プロダクトライフサイクルはますます短縮化している。

このような時代に製品鮮度が大きな競争要因となって市場での勝者と敗者を分けている。パソコンや半導体などのハイテク製品も、ビールなどの加工食品もサプライチェーンを通過するリードタイムが決定する製品鮮度が競争力の決め手になっている。時間の経過で鮮度が落ちると価値がたちまち下落して商品の陳腐化がおこる。この陳腐化によるコストは公表されていないが多くの企業で営業利益を上回っているという声が多く小生の経験でもそれはありうると思っている。営業利益の数倍もある業界も多くなっている可能性もある。花・野菜・豆腐などの生鮮製品では1両日のリードタイムで販売しキャッシュフローにしなければ陳腐化してしまうようにスピードが収益を決定する。

右肩上がりの経済成長のインフレの時代から、デフレの時代に環境シフトすると在庫資産を含む資産価値は時間とともに急減する。サプライチェーンを通過する附加価値上昇の価値連鎖(バリューチェーン)は忽ち価値下落の連鎖になる時代となった。

図6

このような時代に生き残る手段がサプライチェーンマネジメントである。〈図6.顧客満足度(CS)とサプライチェーンマネジメント〉に示したように、サプライチェーンのモノの供給の流れと逆方向の流れにデマンドチェーンがあり、サプライチェーンマネジメントは顧客満足度を上げる最終顧客起点のデマンドチェーンへのレスポンスをどのように速くするかの意志決定の課題である。

顧客満足度(CS)とは端的にいえば「顧客のワガママを競争相手よりよりよく聞いて、又は先読みして実行する企業が勝ち残る」という原則を言っている。従来Q(品質)、C(コスト、又は価格)、D(納期、又は在庫充足率)とういう供給者側での原則があったが、利便性、サービスなどをつけくわえて個別に対応していかなくてはならない。サプライチェーンの中でのは各企業は顧客にとってはサプライヤーであり、サプライヤーにとっては顧客である。

このような各段階で供給者と顧客の関係がチェーンとなってつながっているなかで、顧客と供給者は対等なビジネスパートナーであるというのが理想というか建て前上の常識であった。顧客満足度というコンセプトは現実の競争では全世界のグローバルな競争相手が顧客にとってより都合のよいサプライヤーになって競争相手と入れ替わるための競合でしのぎを削っているというのが実情であろう。

photo